遺言書作成

 元気なうちに遺言書の準備を進めたい。

 遺言は、あなたの意思を後世に残す有効な方法です。そして、法律上の形式に適した遺言書は法的な効力を有します。

 遺言書を発見した者が故意に遺言書を滅失させた場合等には、相続人から排除される等(民法891条参照)、法的にあなたの意思が守られます。あなたの意思をもっとも保護できる制度です。また、あなたの意思が後世に伝えられることにより、無用な、望まぬ紛争を防ぐこともできます。あなたの意思は、未来の紛争をも防ぐことになります。

 しかし、遺言書は法的な形式を最も強く要請され、法的な形式が合致していなければ有効な遺言書とはなりません。


 当事務所では、“専門家の知恵” と、お客様のご事情に即した“最適な手続き” での遺言書作成手続をサポートしております。あなたの意思を後世に残すお手伝いを、全力でサポートいたします。かしこまられる必要はありません。人と人です。親切・丁寧を心がけ、ご協力させていただきます。まずは、一歩、ご相談ください。

 このページだけではお伝えし切れていない情報もあるかと思います。

 個別の疑問にお答えしておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。


 遺言とは、自分が亡くなった後に想いや希望を家族などに伝え、それを実現してもらうために遺しておく書面です。

 遺言はご本人様の意思を残された方々に伝えることの他に、残された方の事後的な紛争を予防する面も有しています。

 ご自身の意思をお伝えするとともに、残された家族等に骨肉の争いをさせないためにも、今から遺言書の準備を進めましょう。遺言書がある場合、相続人が遺産の分配について話し合う必要はなく、遺言書に従い、相続手続を済ませることができます。また、遺言書で遺言執行者を選んでおけば、遺言執行者が、遺言書の内容を具体的に実現してくれます。


遺言書がなく苦労する事例

< お子様のいらっしゃらない方の相続-残されたパートナの苦労 >

 お子様がいらっしゃらないご夫婦の一方が亡くなった場合、原則、配偶者と亡くなった方のご両親(ご両親が他界されている場合にはご兄弟)が相続人となります。問題なく手続きが進む場合もあるのですが、ご兄弟が相続人となる場合には、以外と紛糾するケースもあります。

 遺言書のない相続については、原則、法定相続分が叩き台になります。

夫が他界された場合で考えてみますと、相続分の割合からか、妻VS兄弟連合というケースになりやすく、妻が夫の他界後に財産関係をめぐり争いの渦中に巻き込まれることがあります。残された夫の配偶者である妻は、ただでさえ夫の支えがなくなった上に、財産関係の争いに巻き込まれることとなります。そのような状況に置かれた精神的負担は、計り知れないご苦労を伴うものといえます。

 このような状況において、被相続人である夫の遺言があったならば、妻の精神的苦痛はどんなに軽減されるでしょう。


< 子供を持つご夫婦が離婚・配偶者の死後に、再婚した場合-前妻の子の苦労 >

前妻の子をAさんとします。

 Aさんの父は妻の死後・離婚後に再婚しました。その後、父が亡くなり、相続財産の大半を再婚後の妻(義母)が相続しました。Aさんは、父の死後に義母の面倒を見てきました。

 このたび、その義母が亡くなりました。Aさんと義母は生物学上の親子関係がなく、Aさんには相続権がありません。そのため、Aさんが義母が父から引き継いだ財産を取得するには、特別縁故者の申立をしなければなりません。

 特別縁故者とは、相続人ではないものの、被相続人と特別の関係にあった人のことをいいます。被相続人に相続人がいないと確定してから3ヵ月以内に申立てを行い、家庭裁判所が特別縁故者と認めた場合、財産の全部または一部を相続できます。

 特別縁故者の申立ての手続き中は、結果が出るまでに2年近くかかることもあり、非常に手間のかかる手続です。また、特別縁故者として認められなければ手間とコストも無駄になります。そして、何よりも、義母に生物学上の子や、両親等の他の相続人がいる場合、Aさんは特別縁故者の申立をすることもできません。Aさんに義母の財産が帰属することはなくなってしまいます。

 Aさんは、被相続人である父の子であるにもかかわらず、また、義母の世話をしてきたにもかかわらず、父の財産を取得することが出来なくなってしまいます。Aさんの両親である父が、生前に遺言を残していてくれたならば、Aさんは、どんなに助かったことでしょうか。


< 独身の兄が遺言書を作成せずに病死。その後、相続人はほかにもいることを知った弟 >

 被相続人のBさんは病気がちのため結婚せず、ずっと1人で過ごしてきました。Bさんには同じ両親から生まれたCさんという弟がおり、Bさんは自分の相続人は弟1人だけだと思っていました。そのため、遺言書を作成せず、病気により、亡くなりました。

 ところが、Bさんの父は再婚で、元妻との間に長男のDさんがいることが戸籍によって判明しました。さらにDさんはすでに死亡しており、子どもが3人いることが判明しました。そのため、被相続人Bさんの相続人は弟のCさんに加えて、Dさんの子ども3人の合計4人となりました。

 今まで一切付き合いのなかったDさんの子どもとの遺産分割協議は一向に進展せず、遺言書もないことから、被相続人Bさんの相続手続きを進められない状況が続いています。遺言書さえあれば、面倒な手続きなく、相続手続きが完了したはずです。Cさんは、兄のBさんが遺言書を書いてくれていたらどんなに助かったことでしょうか。

遺言を残された方が良い具体例

・お子さんのいらっしゃらない方

  両親またはご兄弟が相続人になる可能性があり、また、相続人がいない場合、財産は国のものになります。

  そのため、遺言により財産の帰属先をあらかじめ指定しておくことが有効です。


・ 相続人の中に行方不明者がいる方

  行方不明の方のために不在者管理人などの選任が必要になる場合があります。


・内縁の妻がいる方

  この場合は遺言を残さないと遺産が内縁の妻に渡りません。


・お孫さんに遺産の一部残したい方

  代襲相続が発生していない場合には、直接、お孫さんが財産を受け取ることはできません。

  そのため、お孫さんに財産の一部を帰属させるため遺言を残すことが有効です。


・先妻(夫)との間に子供がおり、後妻(夫)をむかえられた方

  相続が発生した場合、後妻(夫)の方は、先妻(夫)との間のお子さんと連絡をとらなければなりません。

  後妻(夫)と前妻(夫)との関係が希薄な場合、遺言がないことにより、被相続人の方の財産をめぐり紛糾することがあります。

  事前に遺言により、被相続人の意思を明確にしておくことが有効です。


・既に亡くなった子の配偶者に財産を譲りたい場合

  先にお子さんが亡くなってしまった場合、その配偶者の方は相続人ではありません。

  そのため、遺言がない場合、亡くなった子の配偶者は財産を譲り受けることが出来ません。

  従って、遺言を残しておくことが有効です。


・相続人でない方に遺産を譲りたい方

  相続人でない方に財産を譲る場合、遺贈という方法を取ります。

  遺贈は、遺言の方式をとることとなります。

<遺言書作成手続の流れ>

・面談

 お客様の事情、希望をお伺いし、適切な遺言書の選択説明を行います。

・対象となる相続財産・相続人の調査

 遺言書に記載する財産は不動産・預貯金以外に、株券や保険金など多岐にわたります。

 そのため、遺言書記載財産の特定調査、相続人特定調査をさせていただきます。

・遺言書文案の作成

 お客様のニーズに合わせた遺言書の文案を作成し、ご説明させていただいた上、遺言書の内容を確定させます。

・自筆証書遺言の場合→お客様による自署

 自筆証書遺言の場合、遺言者が直接自署・押印することが要件となっています。

 そこで、作成文案を元に、お客様による自署、押印をお願いいたします。

・遺言書のチェック

・公正証書遺言の場合

 遺言書のチェック後、公正証書遺言作成のため、公証人の下での各種手続きを行います。